民と人間 : 21. カーナビ

私は食卓の席につくと、その米のうえに魚が乗ったスシという料理と、サラサラした茶色の調味料をじっと見つめていた。

その茶色の調味料を少しつけて食べるのだという。
私はスシをその液体につけ、口へと運ぶ。

ややしょっぱいが、それと同時に香ばしさと、ビネガーのような酸味が口いっぱいに広がった。
独特な風味だ。

そのほかにも、ニクジャガとか、ミソシルとかいうよく分からない、違う星の料理を母は沢山用意してくれていた。

なぜここまで違う星の料理ばかり出すのかと聞くと、案の定違う星の料理にはまっているらしい。

私はその独特な風味を味わいながら、食事のひとときを過ごした。

食事を終えたあと、私達は明日Graywolfのところへ行く計画を立てることにした。
だが、GMSのサービスが使えない以上、地図も見ることができない。

「ねえ、どうやってここまで来たの?」
私は母に聞いた。

「ほら、私の車、古いカーナビがまだついてるじゃない? それをたどってきたのよ。」

気になったので見せてもらうことにした。
母の車のドアを開け中を見ると、やや古臭いカーナビが確かにはめ込まれていた。

型番からして、数十年前の、まだそれほどインターネットが浸透していない時代のものらしい。この車が生産開始されて数年後と言ったところであろうか。

確かにこの当時のものならインターネットがなくとも使うことができよう。

しかし、このようなあからさまに古いもの、なぜ今まで外してこなかったのか。気になって聞いてみると

「買った時車についてきたものだから、壊れてないしもったいないと思って。それに、道案内なら携帯電話が音声でしてくれたでしょ?」

「当時と今でだいぶ道変わってると思うけど…そこはどうやったの?」
これも気になって聞いてみた。

「最後の地図アップデートは…12年前かしら。でも、高速道路みたいな大まかな道はほとんど変わっていないの。それ以外は、女のカンかしら。」

よくわからないし、妙に気味が悪かった。不思議なものもあるものだなと思った。

とりあえず、行きは母についていくことにした。問題は帰りである。
自分の車の場合、地図はインターネットにつながる携帯電話を経由して表示される。したがって、GMSのシステムが使えない今、地図は表示できないのである。

その女のカンとやらものは私にはない。カンで進めば確実に迷う。

私達はしばらく頭を悩ませた。

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